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AIと与信の規制:国・地域別

貸し手が審査・金利・途上管理にAIを使うとき、各国の当局が何を求めているか。適用の開始日と対象とあわせて整理しています。東南アジアに、参考として香港・EU・米国を加えています。

最終確認日 2026年10月22日

ベトナム

規則(法的拘束力あり)

ベトナム国家銀行 通達53/2026/TT-NHNN(銀行業のAIシステム、2026年9月30日発出)

適用開始
2026年11月15日。すでに使っているAIは2027年3月1日まで
対象
信用機関、外国銀行支店、決済仲介業者、電子マネー事業者、信用情報会社など

与信でAIを使うときに求められること

  • 使う前にAIを高・中・低のリスクに区分する。与信判断を提案するAIは5,000万ドン以上で高リスク
  • 高リスクのAIは、公平性・説明可能性・差別の影響評価と、取締役会の承認が導入の前に必要
  • 担当者がAIを上書き・停止でき、異議のある自動の判断は人が見直す
  • AIが応対していることを顧客に伝える
出典

シンガポール

ガイドライン(監督上の期待)

シンガポール金融管理局(MAS)「AIリスク管理ガイドライン」(2026年10月7日発出)

適用開始
監督とリスク管理は2027年10月7日、ライフサイクルの管理は2028年10月7日から
対象
MASが監督するすべての金融機関、すべてのAI

与信でAIを使うときに求められること

  • AIのリスクに、取締役会と経営陣が責任を持つ
  • AIの一覧をつくり、用途ごとに重要度を評価する
  • データ管理、テスト、人による監督、監視、変更管理をライフサイクル全体で行う
  • 外部から調達したAIも、自社が責任を負う
出典

タイ

ガイドライン(任意)

タイ中央銀行(BOT)「金融サービス事業者のAIリスク管理ガイドライン」(2025年9月12日発出)

適用開始
公表資料に適用日の記載なし
対象
金融機関、特別金融機関、決済事業者。自社開発のAIと外部のAIの両方

与信でAIを使うときに求められること

  • 取締役会と経営陣が責任を持ち、AIの利用方針と責任者を定める
  • リスクに応じた人の関与。貸付の承認など顧客に関わる判断ではより強く
  • 結果を説明できるようにし、入力・出力・設定を記録する
  • AIと対話している顧客に知らせ、担当者に連絡できるようにする
出典

インドネシア

ガイド(銀行には最低限の参照基準、フィンテックは協会の行動規範の参照)

金融サービス庁(OJK)「インドネシア銀行業のAIガバナンス」(2025年4月)。OJKとフィンテック協会「フィンテック業界のAI倫理規範ガイド」(2023年11月24日)

適用開始
適用日の定めなし
対象
商業銀行。オンライン貸付(pindar)を含むフィンテック

与信でAIを使うときに求められること

  • 人による監督を絶対の条件とする
  • 取締役会による監督と、AI委員会(法務・コンプライアンス・リスク・データ・セキュリティ・顧客対応)の設置
  • 設計・テストから定期的な評価と監査まで管理する
  • OJKの幹部は2026年9月17日、AIの信用スコアを貸付の唯一の根拠にすべきでないと発言
出典

フィリピン

原則(任意、拘束力なし)

フィリピン中央銀行(BSP)覚書M-2026-031「金融サービスにおけるAIのガバナンス原則」(2026年6月24日)

適用開始
適用日の定めなし
対象
BSPが監督する銀行とノンバンク、そのAIの委託先

与信でAIを使うときに求められること

  • AIのリスクに見合ったガバナンスをつくる
  • 偏りと差別を防ぎ、導入後も監視する
  • 出力を理解し監査できる記録を残し、最終的な責任は人が負う
  • AIを商品や手続きに使うときは、商品の条件などで顧客に知らせ、必要に応じて利用の選択(オプトイン・オプトアウト)を用意する
出典

マレーシア

討議文書(意見募集は2025年10月17日に終了)

マレーシア中央銀行(BNM)討議文書「マレーシア金融セクターのAI」(2025年8月5日)

適用開始
規則ではないため適用日なし
対象
銀行、保険会社、電子マネー発行者

与信でAIを使うときに求められること

  • 責任あるAIへのBNMの考え方を示す。技術に中立で、リスクに比例した対応
出典

参考

香港参考

監督指針

香港金融管理局(HKMA)「AIの責任ある採用に関する監督指針」(ART枠組み、2026年10月15日)

適用開始
発表に適用日の記載なし
対象
銀行

与信でAIを使うときに求められること

  • 説明責任・強靱性・信頼を柱とする
  • AIエージェントの監督(重要なエージェントの登録、介入の仕組み)について討議文書を今後公表
出典

EU参考

法律(法的拘束力あり)

AI法(規則(EU)2024/1689)附属書III 5(b)。適用日は規則(EU)2026/1744で改正

適用開始
2027年12月2日
対象
個人の信用力の評価や信用スコアを定めるAIで、EUで提供・使用されるもの(不正の検知は除く)

与信でAIを使うときに求められること

  • 高リスクとして扱い、リスク管理、データのガバナンス、技術文書、記録の保存が必要
  • 人による監督、正確性、堅牢性、サイバーセキュリティ
  • 使う貸し手は、基本的権利への影響を評価する
出典

米国参考

法律(法的拘束力あり)

信用機会均等法 レギュレーションB(12 CFR 1002.9)

適用開始
施行中
対象
米国の貸し手。使うモデルを問わない

与信でAIを使うときに求められること

  • 申込みを断った相手に、具体的な主な理由を示す
  • 「スコアが基準に届かなかった」「社内の基準を満たさなかった」だけでは足りない
出典

一般的な情報であり、法的助言ではありません。規制は改正されることがあるため、判断の前に最新の原文を確認し、専門家にご相談ください。