T&S Asset Management

2026年10月16日(金)

新農相の起用と、バンコクでの日韓通貨スワップ更新

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今日の要点

  • 10月15日、首相は武部新衆議院議員を農林水産大臣に起用すると発表しました。
  • 首相は、食料安全保障の強化とフードテックの活用を指示し、輸出の拡大にも意欲を示しました。
  • バンコクで、日韓の財務相が通貨スワップの更新に合意しました。
  • 9月のマネーストックは、M2が前年比2.0%増、M1が0.2%減でした。
  • 消費税率の引下げと就業者負担軽減支援金の法案は、衆議院で審議中です。

新しい農林水産大臣と首相の指示

事実

10月15日、首相は会見で、武部新衆議院議員を農林水産大臣に起用すると発表しました。農林水産副大臣や、党の農林部会長、水産総合調査会長を務めた経験を挙げ、即戦力と評価しました。首相は新大臣に食料安全保障の強化を指示し、記者の質問には、食料安全保障の確保は「何より急がなくてはいけません」と答えました。植物工場、陸上養殖、衛星情報のAI解析などのフードテックを使い、技術とシステムを海外にも展開するよう求めました。輸出できる生産力があれば、いざとなったら国内で消費できるため、食料自給率を高めることにもなるとの考えも示しました。

T&S の見方

食料安全保障を最優先に置いた指示は、自給を防衛と並ぶ柱とみる立場と一致します。平時に作る力を広げておけば、有事に国内向けへ回せます。輸出で生産力を保つ発想は理にかなっています。反対の見方では、輸出の拡大は海外の需要と為替に左右され、自給率の底上げには直結しません。国内の生産者への直接の支援を優先すべきだという意見があります。

経営者への含意

植物工場や陸上養殖、農業データの分野では、政策の後押しが強まる可能性があります。食品の輸出を考える企業は、販路開拓の支援策が出る時期を見ておいてください。

バンコクでの日韓・日タイ会談と中央銀行の会合

事実

10月15日、片山財務大臣はバンコクで、韓国の副総理兼財政経済部長官と面会しました。両者は日韓通貨スワップの更新に合意しました。同じ日、タイの副首相兼財務大臣とも面会し、今後の二国間の協力について意見を交わしました。前日の14日には、同じバンコクで第15回日中韓・中央銀行総裁会合が開かれ、植田総裁が出席しました。最近の経済・金融情勢について意見を交換し、次回は2027年に中国人民銀行が主催します。

T&S の見方

近隣国との通貨の融通は、金融危機の際の防波堤になります。国際機関の融資には政策の条件が付くことが多いとされ、二国間の備えは自国の判断の余地を残します。一方、相手国の政治情勢によって協力が揺らぐ点には注意が要ります。反対の見方では、二国間の枠組みが増えると負担の線引きがあいまいになり、国際機関を通じた多国間の支援の方が公平です。

経営者への含意

韓国と取引のある企業にとって、通貨の急変への公的な備えが続くことは安心材料です。ただ、為替の予約などの自社の備えは別に確保してください。

マネーストックは前月並みの伸び

事実

10月14日、日銀は9月のマネーストックを公表しました。M2の平均残高は前年比2.0%増、M3は1.2%増で、いずれも8月と同じ伸びでした。広義流動性は4.3%増で、8月の4.4%増から少し鈍りました。M1は0.2%減で、8月の横ばいから減少に転じました。預金通貨は横ばい、現金通貨は1.3%減でした。

T&S の見方

お金の量の伸びは小さいままです。すぐに使える預金が増えていないことは、家計と企業が支出に慎重な表れといえます。需要を支える積極的な財政の出番です。反対の見方では、お金の伸びが落ち着いていることは物価の安定に役立ち、財政の拡大はかえって物価を押し上げます。

経営者への含意

顧客の手元資金に余裕が乏しい前提で、支払い条件や与信を見直してください。資金を調達する側は、金利と借入の条件の変化を早めに確認しておくと安心です。

消費税と支援金の法案は衆議院で審議中

事実

衆議院の議案の一覧では、閣法第1号「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」が審議中です。政府の大綱では、引下げの期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。引下げ後の税率は1%です。税率変更の前後それぞれ最大2か月間は、誤認を防ぐ措置を取れば、8%と1%のどちらの総額で表示してもよいとしています。支援金は、社会保険料を納めて働く人のうち一定の所得の範囲の人が対象です。市町村が原則として請求に基づいて受給資格を認定し、支援金は毎年1回支給されます。

T&S の見方

働く人の社会保険料の負担を和らげる仕組みは、手取りを増やし、内需を支えます。食料品の税率引下げと組み合わせることで、物価高の痛みを広く抑えられます。反対の見方では、期間を区切った引下げは終了時に駆け込みと反動を生み、恒久的な財源の手当ても課題として残ります。

経営者への含意

小売と外食は、価格表示の経過措置を前提に、システム改修の日程を組んでください。パートを多く雇う企業は、支援金の対象となる働き方を従業員に説明する準備が要ります。

出典

  1. 閣僚人事等についての会見 令和8年10月15日(首相官邸)
  2. 片山大臣と韓国のイ・ヒョンイル副総理兼財政経済部長官との面会(令和8年10月15日)(財務省)
  3. 片山大臣とタイのエクニティ副首相兼財務大臣との面会(令和8年10月15日)(財務省)
  4. 第15回日中韓・中央銀行総裁会合の開催について(日本銀行)
  5. マネーストック(2026年9月速報)(日本銀行)
  6. 第222回国会 議案の一覧(衆議院)
  7. 飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(内閣官房)