2026年10月24日(土)
燃料油補助の見直し指示と、2%台に上がった物価
- 首相は燃料油補助の「支援の在り方」の検討を経済産業大臣に指示しました。9月の消費者物価は前年同月比2.1%上昇でした
- 自民党はサイバー対処本部(仮称)の設置などを首相に提言しました。ベトナムの最高指導者は11月8日から訪日します
今日の要点
- 首相は燃料油補助の見直しを検討するよう経済産業大臣に指示しました。いきなり来月から変わるわけではないとしています。
- 9月の消費者物価は前年同月比2.1%上昇しました。生鮮食品を除く総合も2.1%上昇です。
- 自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部は、官邸主導の「サイバー対処本部(仮称)」を求めました。
- ベトナムの最高指導者が11月8日から11日まで訪日します。ミクロネシアとは首脳会談を行いました。
燃料油補助、「出口」の検討へ
事実
10月23日、首相は中東情勢を踏まえた激変緩和措置について会見しました。対象はガソリン、軽油、重油、灯油などの燃料油の補助です。与党や国民民主党、立憲民主党などから、財政負担への懸念や段階的な見直し、出口戦略を求める声が出ていました。首相は、各党の提案を踏まえて「支援の在り方」を検討するよう経済産業大臣に指示すると述べました。当面の支援に必要な基金の規模は、財務大臣と調整します。報じられた与党案については「まだ何も決まったものではございません」と答えました。「いきなり来月から変わるということではなく」とも述べています。同じ日の閣議では、令和7年度のエネルギーに関する年次報告が報告されました。
T&S の見方
補助は物価を抑えましたが、輸入原油に頼る構造は変わっていません。出口を決めるなら、調達先の分散や国内のエネルギー供給力への投資と組み合わせるべきです。補助を一律に削るだけなら、緊縮の色が強くなります。反対の見方では、価格を抑え続けると省エネや燃料転換が遅れ、財政負担も膨らみます。
経営者への含意
燃料費は、補助の縮小で段階的に上がる前提で計画してください。物流や運送の契約では、燃料費の変動を価格に反映する条項を確認しておくと安心です。
9月の物価、2%台に上昇
事実
総務省によると、9月の消費者物価指数(2025年=100)の総合は前年同月比2.1%上昇しました。8月は1.9%でした。生鮮食品を除く総合は2.1%上昇で、8月の1.7%から上がりました。生鮮食品とエネルギーを除く総合は2.4%上昇です。エネルギーは0.6%下落し、ガソリンは2.6%下落しました。生鮮食品を除く食料は2.9%上昇し、コメ類は20.6%下落しました。財は2.8%、サービスは1.5%の上昇です。
T&S の見方
エネルギーが下がるなかで、生鮮食品とエネルギーを除いた物価は2.4%上がっています。燃料油補助が縮めば、総合の上昇率はさらに高まる可能性があります。コメ類の下落は家計には助けですが、生産者の所得を通じて食料の供給力を弱めるおそれがあります。反対の見方では、サービス価格の上昇はまだ1.5%にとどまり、物価は落ち着いた範囲にあります。
経営者への含意
食料品と日用品の仕入れ価格は、引き続き上がる前提で見積もってください。価格改定は、補助の見直しと、審議中の消費税減税の行方を見ながら検討すると効率的です。
自民党、サイバー対処の司令塔を提言
事実
10月23日、自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部は首相に提言を申し入れました。題は「AIのサイバー飽和攻撃に備えよ!」です。現状を「サイバー有事前夜」としています。提言は、各省庁の縦割りを排した官邸主導の「サイバー対処本部(仮称)」の設置を求めました。上場企業などの経営層の意識改革、人材の育成と確保も挙げました。同盟国との情報共有、米国のフロンティアAI事業者などとの戦略的な連携、マイナンバーカードによる本人確認の徹底も盛り込みました。
T&S の見方
サイバー防御は、国の経済安全保障の土台です。司令塔を一つにする方向は妥当です。ただ、海外の事業者への依存が深まれば、防御の要を自国で握れなくなります。反対の見方では、本人確認の徹底や国による監視の強化は、個人情報の集中という別のリスクを生みます。
経営者への含意
上場企業を中心に、経営層の責任が問われる流れが強まります。取締役会でのサイバー対策の報告と、委託先を含めた点検を定例にしてください。
ベトナムと太平洋島嶼国との外交日程
事実
10月23日の閣議で、ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席夫妻を11月8日から11日まで、公式実務訪問賓客として接遇することが了解されました。首相との会談が予定されています。同じ日、首相はミクロネシア連邦のシミナ大統領と官邸で会談しました。前日の外相会談では、来年夏に横浜で開く第11回太平洋・島サミットに向けて緊密に連携することで一致しています。
T&S の見方
ベトナムは供給網の分散先として、太平洋の島嶼国は海上交通の要所として重要です。両方との関係を深めることは、経済安全保障に直結します。反対の見方では、援助や協力の拡大が、国内の財政需要と競合します。
経営者への含意
ベトナムとの首脳会談で、投資や供給網の協力が打ち出される可能性があります。現地での調達や生産を検討中の企業は、11月の発表を確認してください。