2026年10月23日(金)
AI・デジタル改革推進会議が始動、銀行の貸出に設備投資の需要
- 政府はAI・デジタル改革推進会議の初会合を開き、AXの具体像などを年末までに中間整理すると決めました
- 主要銀行への調査で企業の資金需要はプラスに転じました。段ボール業界には取引適正化の要請が出ました
今日の要点
- 政府はAI・デジタル改革推進会議の初会合を開き、三つの柱を年末までに中間整理すると決めました。
- 日銀の調査で、企業向けの資金需要判断DIはプラス3となり、先行きはプラス6です。
- 型の無償保管をめぐる勧告を受け、国は段ボール業界の団体に取引の適正化を要請しました。
- 外務大臣はASEAN事務総長と会談し、11月の首脳会議に向けた連携を確認しました。
AI・デジタル改革推進会議が始動
事実
10月22日、官邸でAI・デジタル改革推進会議の初会合が開かれました。木原官房長官が主宰しました。AXの具体像、AI・デジタル改革の原則、AXの社会実装の加速の三つを、年末までに中間整理します。AIガバナンスの強化などは、年明け以降に具体化します。担当の大臣には、2030年までの政府、産業、暮らしのAXの姿を年末までに明らかにすることや、AI法などを「信頼できるAI」に向けて見直し、AIセーフティ・インスティテュートを強めることが割り当てられました。フィジカルAIとAIロボットで日本の強みを確保する方策も検討します。自動運転をはじめ、公共・準公共の分野のAXも進めます。
T&S の見方
AIは、国の判断と産業の基盤に直結する技術です。ロボットなど日本が強い分野で自前の技術を固める方向は、経済安全保障の面で妥当です。反対の見方では、国主導の計画は技術の変化に追いつけず、規制の見直しが遅れると民間の投資をかえって縛ります。
経営者への含意
年末の中間整理で、規制の見直しと支援の方向が示されます。人手不足の業務にAIを入れる計画は、その内容を見て優先順位を決めてください。
企業の資金需要がプラスに
事実
10月22日、日本銀行は主要銀行貸出動向アンケート調査を公表しました。対象は貸出残高の上位50の銀行と信用金庫です。過去3か月の企業向けの資金需要判断DIはプラス3、今後3か月の見通しはプラス6でした。個人向けはプラス5です。需要が増えた理由として、大企業と中堅企業では設備投資の拡大が最も多く挙がりました。
T&S の見方
企業が設備投資のために借りる動きは、国内で生産力を高める流れを映しています。積極財政が民間投資の呼び水になっているかを測る材料になります。反対の見方では、金利の上昇が続けば借り手の負担が増え、中小企業の投資は細ります。
経営者への含意
企業の資金需要は、先行きも強まる見通しです。借入の予定がある企業は、金利の条件を早めに確認し、固定と変動の組み合わせを見直してください。
段ボール業界に取引適正化の要請
事実
10月22日、公正取引委員会は、段ボールや紙箱の製造・販売を行う企業に、旧下請法に基づく勧告を出しました。その企業は、印版や木型などの型を委託先140社に預けたまま、長い期間発注をせず、保管の費用も払っていませんでした。対象は9,610個です。過去1年で、同じ業界への同種の勧告は2件目です。中小企業庁、公正取引委員会、経済産業省は同じ日、全国段ボール工業組合連合会に要請を出しました。型を無償で預ける慣行を見直し、価格転嫁に関する法令を守るよう求めています。
T&S の見方
国内の中小の製造業が利益を残せることは、供給網を国内に保つ土台です。費用を下請に押しつける慣行を正すことは、その基盤を守ります。反対の見方では、規制の強化は取引の事務を増やし、発注側が国内の委託先を減らす理由にもなります。
経営者への含意
委託先に型や治具を預けている企業は、保管の期間と費用の取り決めを確認してください。1月からは取適法が適用されています。
ASEANとの連携を確認
事実
10月21日、茂木外務大臣は来日したカオ・キムホンASEAN事務総長と約15分会談しました。大臣は、ASEANのインド太平洋に関する展望(AOIP)への支持を改めて示しました。来年は1977年の福田ドクトリンから50年になると述べました。両者は、来月のASEAN関連首脳会議に向けて緊密に連携することで一致しました。
T&S の見方
ASEANとの協力は、日本の資源と食料の輸送路を守るうえで重みがあると考えます。各国の自律性を高める協力は、特定の大国への依存を減らすことにつながります。反対の見方では、国際的な枠組みでの約束が増えるほど、日本が自国の判断で動ける幅が狭まります。
経営者への含意
11月の首脳会議で、日本とASEANの協力案件が示される可能性があります。東南アジアに拠点を持つ企業は、その発表を確認してください。