T&S Asset Management

2026年10月27日(火)

サイバー被害に緊急対策、来年度予算は「日本版DOGE」で見直し

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今日の要点

  • 首相はサイバー攻撃への対応で関係閣僚会議を開き、来週中をめどに「緊急対策パッケージ」をまとめると述べました。
  • 財務相は、広く使われるソフトの脆弱性について、多くの金融機関が予防的にシステムを止めたと説明しました。
  • 首相は令和9年度予算で「日本版DOGE」の取組を強め、歳出・歳入全般を見直すとしました。
  • エネルギー白書2026が閣議決定され、中東情勢を受けた需給構造の強靱化の方向性を示しました。
  • 防災庁は11月2日に発足します。

サイバー被害に「緊急対策パッケージ」

事実

10月26日、第1回のサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議が開かれました。国内の企業などへのサイバー攻撃で、大規模な情報漏えいが相次いでいるためです。首相は、IPAと警察の相談対応の充実を指示しました。中小企業向けの「サイバーセキュリティお助け隊」の拡充も検討します。攻撃の実態が解明された場合は、アクセス・無害化措置を含む対処を選んで実行するとしました。高性能AIを使った模擬攻撃テストと脆弱性チェックも前倒しします。来週中をめどに「緊急対策パッケージ」をまとめ、各大臣は財政措置を含めて検討します。

これに先立つ10月23日、財務相は、広く使われるソフトの脆弱性について、多くの金融機関が予防的にシステムを停止したと述べました。金融庁は5月に、パッチの適用が必要になったときはシステムを能動的に止めることも選択肢の一つと示していました。財務相は、リスクは今後さらに高まる可能性があるとしています。

T&S の見方

情報の集約先を国に一本化し、攻撃元への対処まで視野に入れたことは、経済安全保障の面で前進です。サイバー防御を自国の判断で動かせる体制は、主権の一部といえます。ただ、高性能AIや民間の専門能力を海外の事業者に頼れば、防御の要を自国で握れません。反対の見方では、国の権限が広がると、企業の自主的な開示が萎縮するおそれがあります。

経営者への含意

脆弱性が出たときに、システムを止める判断を誰がするかを、平時から決めておいてください。取引先を含めた相談窓口と報告の流れも、今のうちに確認すると安心です。

来年度予算は「日本版DOGE」で見直し

事実

10月26日の政府与党連絡会議で、首相は令和9年度予算について述べました。予算編成改革を概算要求の段階から反映した初の予算です。「責任ある積極財政」の下、「日本成長戦略」と「地域未来戦略」を両輪に国内投資を引き出すとしました。あわせて「日本版DOGE」の取組強化などで歳出・歳入全般を見直します。首相は臨時国会で「消費税・支援金法案」と原油調達の多角化に関する法案の早期成立への協力も求めました。財務相は10月23日、コンテンツ産業の予算について、基金などの過去の反省も含めて検討すると述べました。3月から続く燃料補助の今後は、現時点で決まったものはないとしています。

T&S の見方

国内投資を軸に据えた路線は、自国の供給力を高める積極財政の考え方に沿っています。一方で、歳出の見直しが緊縮に傾けば、投資の効果を自ら削ることになります。反対の見方では、過去の基金の失敗を踏まえれば、厳しい点検こそが財政への信認を守ります。

経営者への含意

補助金や基金を使う事業は、成果の説明がこれまで以上に求められます。年末の予算案を待たず、自社の申請内容の効果を数字で示せるよう準備してください。

エネルギー白書、需給構造の強靱化へ

事実

10月23日、エネルギー白書2026が閣議決定されました。2月末の米国・イスラエルとイランの攻撃の応酬の後、ホルムズ海峡の通航が困難になったことを、エネルギー安全保障に大きな影響を与えた事態と位置づけています。世界に先駆けた石油備蓄の放出や、原油の代替調達の拡大を概観しました。石油危機以降の需給構造の変化を確かめ、「エネルギー需給構造の更なる強靱化」の方向性をまとめています。

T&S の見方

特定の海峡に頼る調達は、国の弱点です。備蓄と調達先の多角化を政府の責任で進めることは、自給に近づく現実的な道です。ただ、調達先を変えても輸入に頼る構造は残ります。反対の見方では、多角化の費用を事業者や利用者が負担すれば、産業の競争力を損ないます。

経営者への含意

燃料の調達先と在庫の日数を、もう一度点検してください。補助の継続が決まらない前提で、来期の燃料費を見積もると安全です。

防災庁が11月2日に発足

事実

首相は政府与党連絡会議で、防災庁が11月2日に発足すると述べました。平時の備えから発災後の対応まで「一気通貫」で担います。内閣府の担当大臣は9月25日、地方組織の防災局は設置法の公布から2年以内に置くと説明しました。40を超える団体から設置の要望が出ています。

T&S の見方

災害への備えは、食料やエネルギーと並ぶ国の守りの土台です。司令塔を一つにする方向は妥当です。反対の見方では、新しい組織と地方拠点の整備は、既存の自治体の体制と重なり、費用がかさむおそれがあります。

経営者への含意

事業継続計画の相談先や支援の窓口が、今後変わる可能性があります。拠点のある地域で防災局の議論がどう進むか、注視してください。

出典

  1. サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議(首相官邸)
  2. 政府与党連絡会議(首相官邸)
  3. 片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和8年10月23日)(財務省)
  4. 「令和7年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2026)が閣議決定されました(経済産業省)
  5. 細野復興大臣・内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年9月25日(内閣府)