T&S Asset Management

2026年10月31日(土)

日銀がETFの売却ペースを引き上げ、9月の生産は3か月ぶりの上昇

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今日の要点

  • 日銀は、ETFの売却ペースを市場全体の売買代金の約0.05%から約0.1%に引き上げます。2027年1月から実施します。
  • 展望レポートの見通しでは、2027年度の生鮮食品を除く物価上昇率を2.6%に上方修正しました。
  • 9月の鉱工業生産は前月比2.2%上昇しました。失業率は2.4%に下がりました。
  • 地域産業クラスター計画を中心に、計画は100を超えました。首相は年末までに「地域未来戦略実現フレーム」をつくるとしています。
  • GX地域共創補助金の1次公募で、11件が採択されました。

日銀、ETFの売却を速める

事実

日銀は10月の金融政策決定会合で、ETFの処分の指針を改めました。年間の売却額が市場全体の売買代金に占める割合は、約0.05%から約0.1%になります。売却を終えるまでの期間の目安は、約112年から約43年に縮みます。実施は2027年1月からです。市場の状況に応じて、売却を一時的に調整したり止めたりできる点は変わりません。同時に出た展望レポートの見通しでは、生鮮食品を除く物価上昇率は2026年度2.5%、2027年度2.6%、2028年度2.0%です。実質GDPは各年度0.7〜0.8%です。物価の見通しには、食料品の消費税引き下げの効果は入っていません。

T&S の見方

中央銀行が株式を大量に持ち続ける状態は、市場の価格形成をゆがめます。売却を速めることは、通常の姿に戻す一歩です。一方、物価が2%台でも成長率は1%に届きません。この状況で金融を引き締め続ければ、積極財政の効果を打ち消すおそれがあります。反対の見方では、物価が目標を上回る以上、金融の正常化を急がないと物価高が定着します。

経営者への含意

株式市場には、毎年の売り圧力が少しずつ増えます。借入金利は上がる前提で、資金計画を見直してください。

9月の生産は上昇、失業率は低下

事実

経済産業省によると、9月の鉱工業生産は前月比2.2%上昇しました。自動車工業、生産用機械工業などが上昇しました。出荷は0.6%、在庫は2.5%の上昇です。基調判断は「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」です。製造工業の予測では、10月と11月も上昇を見込みます。総務省によると、9月の完全失業率(季節調整値)は2.4%で、前月より0.1ポイント下がりました。

T&S の見方

国内の製造業が動いていることは、供給網を自国に持つ強みを示します。ただ、在庫の伸びが出荷を上回る点は、需要の弱さを示すとみます。反対の見方では、人手不足のもとでの生産の上振れは、賃金と物価をさらに押し上げます。

経営者への含意

人を採りにくい状況は続きます。省力化の投資を前倒しで検討してください。

地域未来戦略、年末に実現フレーム

事実

10月30日、首相は地域未来戦略の会議に出席しました。地域産業クラスター計画を中心に、100を超える計画がつくられ、公表されたとしています。年末までに「地域未来戦略実現フレーム」をまとめます。中身には、複数年度の予算措置、自治体の負担に配慮した地方財政措置、既存予算とは別の「地域未来特別枠」などが入ります。各省の局長級などからなる推進担当官9人も任命されました。

T&S の見方

地方に産業を分散させることは、災害や有事に強い国土につながります。農林業などの地場産業を対象に含めた点は、食料の国内生産を守る観点で意味があります。反対の見方では、計画の数を増やしても、採算の合わない事業に予算が流れるおそれがあります。

経営者への含意

拠点を持つ地域の計画に、自社の事業が入っているか確かめてください。年末の実現フレームで、支援の具体策が見えてきます。

脱炭素電源の地域でGX投資を支援

事実

経済産業省は10月30日、GX地域共創補助金の1次公募で11件を採択したと発表しました。製造設備の投資が7件、データセンターの設備投資が4件です。脱炭素電源を100%使い、発電地域に貢献する事業が対象です。2次公募は11月に始まる予定です。

T&S の見方

電源の近くに工場やデータセンターを置くことは、送電の負担を減らし、エネルギーの地産地消に近づきます。データセンターの国内立地は、データの主権を守る面でも意味があります。反対の見方では、脱炭素電源に限る条件が、電気料金の高い地域に投資を縛るおそれがあります。

経営者への含意

電力を多く使う設備の新設を考えている企業は、2次公募の要件を確認してください。立地の選び方で、支援を受けられるかが変わります。

出典

  1. ETFの売却ペースの見直しに関する決定(2026年10月)(日本銀行)
  2. Amendment to "Basic Principles for Disposal of ETFs and J-REITs"(日本銀行)
  3. 経済・物価情勢の展望と基調的な物価上昇率に関連する各種指標(2026年10月)(日本銀行)
  4. 鉱工業指数 最新結果の概要(経済産業省)
  5. 労働力調査(基本集計)2026年9月分 結果の概要(総務省統計局)
  6. 第8回地域未来戦略に関する関係副大臣等会議・地域未来戦略に関する総理報告(首相官邸)
  7. GX地域共創補助金(1次公募)を採択しました(経済産業省)