T&S Asset Management

2026年11月1日(日)

東京の生鮮除く物価は伸びが縮小、外国代理人登録制度の議論が始まる

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今日の要点

  • 10月の東京都区部の消費者物価は、生鮮食品を除く総合で前年比2.6%上昇し、9月より伸びが縮みました。
  • 9月の有効求人倍率は1.19倍で、前月より0.01ポイント上がりました。
  • 経済産業省は10月30日、中部電力に業務改善命令を出す前提で、弁明の機会を与える通知をしました。
  • 政府の有識者会議で、外国代理人の活動を透明化する登録制度などの法制の方向性が示されました。

東京の生鮮除く物価、伸びが縮小

事実

総務省が10月30日に公表した10月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値)は、生鮮食品を除く総合で前年同月比2.6%上昇しました。9月は2.7%でした。生鮮食品とエネルギーを除く総合は2.6%上昇で、9月の2.9%から縮みました。総合は2.8%上昇です。生鮮食品を除く食料は3.0%上がり、米類は31.3%下がりました。エネルギーは2.2%上がりました。都市ガス代は4.9%、電気代は1.7%上がり、ガソリンは2.3%下がりました。

T&S の見方

生鮮食品を除く食料の伸びは9月より拡大し、エネルギーも前年を上回りました。一方、生鮮食品とエネルギーを除いた物価の伸びは縮んでいます。輸入燃料に頼る構造のままでは、物価は海外の情勢に左右され続けます。反対の見方では、基調的な物価の伸びが縮んでいることは、エネルギーへの支援を段階的に縮める余地があることを示しています。

経営者への含意

仕入れ価格の上昇は続く可能性があります。価格の見直しは、食料とエネルギーの動きを分けて行ってください。冬の光熱費は、エネルギー価格の上振れも想定して見積もってください。

有効求人倍率は1.19倍

事実

厚生労働省によると、9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.19倍で、前月より0.01ポイント上がりました。新規求人倍率は2.19倍で、0.13ポイント上がりました。新規求人は前年同月より0.4%減りました。産業別では、製造業が8.2%増、情報通信業が5.9%増でした。卸売業・小売業と、宿泊業・飲食サービス業は、ともに6.3%減りました。

T&S の見方

製造業の求人の伸びは、国内での生産を強める動きと重なります。一方、消費に近い業種では求人が減っています。家計の弱さが雇用に表れ始めたともいえます。人手不足は、外国人労働者の受け入れより先に、賃上げと省力化への投資で埋めるべきです。反対の見方では、受け入れを広げなければ、地方の製造業や介護の現場は回りません。

経営者への含意

製造と情報通信の人材は、取り合いが続きます。採用計画は早めに固め、省力化の投資と組み合わせてください。

中部電力に業務改善命令へ

事実

経済産業省は10月30日、中部電力に対し、電気事業法に基づく業務改善命令を出す前提で、弁明の機会を与える通知をしました。浜岡原子力発電所3号機・4号機について、原子力規制委員会の審査で基準地震動の策定に関わる不適切な行為があったとしています。牽制機能の弱さ、内部通報制度の機能不全、ガバナンスの不全も認めました。命令では、役職員の責任の所在の明確化、法令遵守体制の強化、外部人材を含む体制での検証、業務改善計画の提出を求める予定です。弁明書の提出期限は11月12日です。

T&S の見方

原子力は、エネルギーの自給を高める柱の一つです。事業者の不正は、その土台への信頼を損ないます。国が統治の立て直しを強く求めるのは妥当です。反対の見方では、規制と監督が強まるほど再稼働が遅れ、輸入燃料への依存が長引きます。

経営者への含意

原子力の再稼働の時期は、電力の需給と料金の見通しに影響します。電力の調達は、再稼働が遅れる場合も想定して計画してください。内部通報が実際に機能しているかを、自社でも点検する機会です。

外国代理人登録制度、議論が始まる

事実

10月26日、政府のインテリジェンス機能の強化に関する有識者会議が、第2回の会合を開きました。国家情報局の資料によると、会議ではまず、全体の基盤となる国家情報戦略と、各論として外国による不当な干渉の防止策を議論します。警察庁は、外国代理人による影響力活動を透明化する登録制度と、外国代理人の悪質な行為を罰する規定を内容とする法制を、早急に整える方向性(案)を示しました。諸外国の制度の例として、事前の登録の義務付け、登録事項の公表、活動時の身分開示、監督官庁の報告徴収権限を挙げています。欺もう・脅迫的な行為など悪質な行為の犯罪化も、諸外国の例として示しました。過度な規制とならないための配慮も論点です。自民党の政務調査会長は10月29日の会見で、外国代理人登録法と外国干渉防止法を、来年の通常国会で「確実に仕上げられるような形で」検討するよう政府に求めました。

T&S の見方

外国の政府が国内の政策決定に働きかける動きを見える化することは、主権を守る基本です。米国、オーストラリア、英国などは、すでに同様の制度を運用しています。反対の見方では、対象が広すぎると、研究者や報道機関、市民団体の正当な国際交流まで萎縮させます。対象と義務の線引きが焦点です。

経営者への含意

海外の政府系機関と取引や共同事業がある企業は、登録の対象に当たるかの確認が必要になる可能性があります。契約の相手先と、渉外活動の委託先を今のうちに整理してください。

出典

  1. 消費者物価指数 東京都区部 2026年10月分(中旬速報値)(総務省統計局)
  2. 一般職業紹介状況(令和8年9月分)について(厚生労働省)
  3. 中部電力株式会社に対し、行政手続法に基づき弁明の機会の付与の通知を行いました(経済産業省)
  4. インテリジェンス機能の強化に関する有識者会議 第2回 議事次第(内閣官房)
  5. 外国による不当な干渉を防止するための法制度について 第2回説明資料(警察庁提出、内閣官房)
  6. 第2回説明資料(国家情報戦略について)(国家情報局提出、内閣官房)
  7. 小林鷹之 政務調査会長 記者会見(自由民主党)