2026年11月2日(月)
G20と日米豪印で「経済的威圧」に対抗、免税はリファンド方式へ
- 外相はG20外相会合で、恣意的な輸出規制と過剰生産能力が供給網を脅かしていると指摘しました。日米豪印は経済的威圧に深刻な懸念を示しました
- 11月1日から外国人旅行者向けの免税はリファンド方式に変わりました。10月の消費者態度指数は35.0に下がりました
今日の要点
- 外相はG20外相会合で、恣意的な輸出規制が重要鉱物の安定供給を脅かし、補助金などによる過剰生産能力が供給網を弱めていると述べました。
- 日米豪印の外相は、経済的威圧に深刻な懸念を示し、経済安全保障に関する共同プレスリリースを出しました。
- 日本とサウジアラビアの外相は、中東地域の平和と安定に向けて緊密に連携することで一致しました。
- 11月1日から、外国人旅行者向けの消費税免税がリファンド方式に変わりました。
- 10月の消費者態度指数は35.0で、前月から0.4ポイント下がりました。
G20で重要物資の供給網を議論
事実
外相は10月29日から11月1日まで米国を訪れ、アトランタでのG20外相会合に出席しました。10月31日の「サプライチェーン」の会合では、重要鉱物、食料、肥料の供給網の強化が議題でした。外相は、恣意的な輸出規制が重要鉱物の安定供給を脅かしていると述べました。不透明で過剰な補助金などによる過剰生産能力も、他国の産業を阻害していると指摘しました。日本は、WTO補助金協定の改定を含む改革案を出しています。重要鉱物では、精錬・加工など中流での協力が重要だとしました。
T&S の見方
特定の国に依存した供給網は、相手の判断ひとつで止まります。輸出規制が外交の道具になる現実を、日本が公式に名指しした意味は大きいです。ただ、WTOのルール強化に期待しすぎるのは危険です。国際機関の合意は遅く、各国の主権的な判断を縛れません。反対の見方では、ルールに基づく多国間の枠組みこそが、中小国が威圧に対抗できる唯一の盾です。
経営者への含意
重要鉱物や肥料を使う企業は、調達先が一国に集中していないかを点検してください。精錬・加工の段階まで含めて、代替先を探しておくと安心です。
日米豪印、経済的威圧に深刻な懸念
事実
10月31日、日米豪印の外相がアトランタで会合を開きました。今年5月、7月に続く3回目です。4か国は、恣意的な輸出規制や、過剰生産能力につながる非市場的な政策を含む経済的威圧に、深刻な懸念を示しました。海洋・国境を越える安全保障、経済的繁栄と経済安全保障、重要・新興技術、人道支援・災害救援の4分野で協力を進めることで一致しました。経済的繁栄と経済安全保障に関する共同プレスリリースも出しました。
T&S の見方
価値観の近い国と供給網を組み直す動きは、経済安全保障の基本です。年に3回の外相会合は、枠組みが実務の段階に入った表れです。反対の見方では、陣営づくりが進むほど貿易が分断され、資源を持たない日本の調達コストはかえって上がります。
経営者への含意
インド太平洋の同志国との取引は、政府の支援を受けやすい分野になると考えられます。インドや豪州との調達・販売の拡大を、中期計画で検討してください。
ホルムズ海峡と湾岸のエネルギー強靱化
事実
10月31日(日本時間11月1日)、外相はサウジアラビア外相と会談しました。外相は、イラン情勢について、ホルムズ海峡の自由で安全な航行の回復を含め、事態の打開に向けてサウジアラビアなどと連携する考えを説明しました。湾岸協力理事会(GCC)諸国の経済・エネルギーの強靱化に向けた、包括的な協力計画の進み具合も説明しました。サウジ側は、日本と緊密に協力したいと応じました。両外相は、中東地域の平和と安定に向けて連携を続けることで一致しました。
T&S の見方
原油の多くを中東に頼る日本にとって、産油国との関係づくりは防衛と同じ重みを持ちます。協力計画は、供給の安定を外交で買う試みです。反対の見方では、中東への関与を深めるほど依存が固定され、調達先の多角化が遅れます。
経営者への含意
燃料や石化原料のコストは、中東情勢でなお大きく動きます。調達契約の期間と価格条件を、複数の前提で見直してください。
免税はリファンド方式に
事実
11月1日から、外国人旅行者向けの消費税免税は、リファンド方式に変わりました。店はいったん消費税を含めた価格で販売します。出国時に税関で持ち出しが確認されると免税が成立し、店が消費税分を返金します。一般物品と消耗品の区分は撤廃され、特殊包装も不要になりました。
T&S の見方
免税品の国内での転売を防ぐ仕組みで、課税の公平の観点から妥当な見直しです。反対の見方では、返金の手間が旅行者の買い物意欲を下げ、店の事務負担も増えます。
経営者への含意
免税店は、返金の手続きと会計処理を確認してください。返金がない取引の扱いも、社内で決めておく必要があります。
消費者態度指数は35.0に低下
事実
内閣府の10月の消費動向調査では、二人以上の世帯の消費者態度指数(季節調整値)は35.0でした。前月から0.4ポイント下がりました。暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断の4指標がすべて低下しました。1年後に物価が上がると見る世帯は90.8%で、5%以上の上昇を見込む世帯は48.1%です。
T&S の見方
家計の9割が物価上昇を見込む中で、収入の見通しは改善していません。内需を支える積極的な財政出動が必要な局面です。反対の見方では、追加の財政出動は物価をさらに押し上げ、家計の実質的な負担を重くします。
経営者への含意
値上げへの消費者の抵抗は強まっています。価格を上げる場合は、内容量や付加価値の説明を丁寧にしてください。