T&S Asset Management

2026年10月18日(日)

LNGまで広がる船舶保険の備えと、バングラデシュとのEPA

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今日の要点

  • 原油に加え、LNGと石油製品を運ぶ船の賠償保険も国が支えられるようにする改正案が決まりました。
  • バングラデシュとの経済連携協定について、国会の承認を求めることが閣議決定されました。
  • トラックの長距離輸送を複数の運転者で分ける「中継輸送」の制度が、11月1日に施行されます。
  • 改正地域交通法が10月16日に施行され、スクールバスを使う公共ライドシェアが全国で初めて認定されました。
  • 日本銀行は10月23日に金融システムレポートを出し、10月29日と30日に金融政策決定会合を開きます。

LNGと石油製品にも保険の備え

事実

10月16日、特定タンカー法の改正案が閣議決定されました。船を動かすには、第三者への賠償に備える船主責任保険が要ります。国内の保険組合は、海外の組合から再保険を受けています。現行法は平成24年に、イラン産原油を運ぶタンカーへの再保険停止に対応するためにつくられました。国が再保険の分を組合に交付できる仕組みです。改正案は、対象に液化天然ガスと、政令で定める石油製品を加えます。対象の国は、外国政府などから再保険を禁じられた国などとし、政令で定めます。法律の題名は「特定船舶」に改めます。

T&S の見方

燃料の輸送が他国の制裁や保険市場の判断で止まる弱点を、国の責任で埋める内容です。原油だけでなく発電に使うLNGまで広げたことで、エネルギーの防衛線が厚くなります。反対の見方では、国が保険の最後の引き受け手になる範囲が広がるほど、有事の財政負担が読みにくくなります。

経営者への含意

電力やガスを多く使う企業は、調達先の国と輸送経路の偏りを点検してください。政令で対象国が決まる時期にも注意が必要です。

バングラデシュとのEPAが国会へ

事実

同じ閣議で、日本とバングラデシュの経済連携協定について、国会の承認を求めることが決まりました。協定は2月6日に署名されました。交渉は2024年に始まりました。経済産業省は、鉄鋼、自動車部品、織物、電子部品など、高い関税がかかっている品目を含む多くの品目で関税の撤廃を得たとしています。投資、サービス貿易、電子商取引、知的財産などのルールも整えます。協定には、自然人の移動、政府調達、バングラデシュのための経過期間の附属書があります。

T&S の見方

南アジアの国と通商の約束を結ぶことは、特定の国に偏らない供給網づくりにつながります。条約として国会が審議する手順は、国の主権の下で中身を確かめる場です。反対の見方では、自然人の移動の約束が、国内の雇用や在留管理への影響が十分に議論されないまま広がるおそれがあります。

経営者への含意

バングラデシュに部品や素材を出す企業は、関税撤廃の時期と原産地の規則を確かめてください。発効までには国会の承認などの手続きが残っています。

物流と地域交通の新しい仕組み

事実

政府は、改正物流効率化法の施行日を11月1日とする政令を閣議決定しました。改正法は、一つの長距離輸送を複数の運転者で分ける「中継輸送」を進めます。事業者は計画をつくり、国土交通大臣の認定を受けることができます。認定を受けると、貨物自動車運送事業法などの許可を得たものとみなされます。荷主と倉庫業者には、業務に支障のない範囲で協力する努力義務があります。また、改正地域交通法が10月16日に施行されました。同じ日、神奈川県相模原市の計画が全国で初めて認定されました。市の教育委員会が管理するスクールバスの空き時間を使い、有償で住民を運ぶ公共ライドシェアです。

T&S の見方

運転者の不足を、仕組みの効率化で補おうとする方向です。外国人の労働力に頼る度合いを抑える道にもなります。手持ちの車両を地域で使い回す発想は、地方の自立にもつながります。反対の見方では、計画の作成と認定の手続きが、小さな事業者や自治体にとって新たな負担になります。

経営者への含意

荷主の企業は、中継輸送への協力を物流会社から求められる前提で、荷待ちや受け渡しの時間を見直してください。地方の拠点では、自治体の交通の計画に参加する余地があります。

日本銀行の今後の日程

事実

日本銀行の公表予定によると、10月23日に金融システムレポートの10月号を出します。10月29日と30日には金融政策決定会合を開きます。30日には、決定の内容と展望レポートの基本的見解を公表し、総裁が記者会見を行う予定です。

T&S の見方

金利の判断は、積極財政の余地を左右します。物価と賃金の動きを見極め、急がずに判断することが国内の投資を守ります。反対の見方では、利上げが遅れると円安と輸入物価の上昇が続き、家計の負担が増えます。

経営者への含意

借入の金利条件を見直す予定がある企業は、10月30日の決定を確かめてから判断してください。

出典

  1. 令和8年10月16日(金)定例閣議案件(首相官邸)
  2. 「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を閣議決定(国土交通省)
  3. 特定タンカー法改正案 概要(国土交通省)
  4. 日・バングラデシュ経済連携協定の署名(経済産業省)
  5. 経済上の連携に関する日本国とバングラデシュ人民共和国との間の協定(外務省)
  6. 「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定(国土交通省)
  7. 物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律 要綱(国土交通省)
  8. 本日施行の改正地域交通法に基づき、全国初の「自動車地域旅客運送サービス再構築実施計画」を認定しました(国土交通省)
  9. 公表予定(日本銀行)