2026年10月21日(水)
消費減税法案が衆議院で審議入り、地方との協議とハラールの延期
- 飲食料品の消費減税と支援金の法案が衆議院本会議で審議入りし、国民民主党は対案を示しました
- 首相は国と地方の協議の場で、地方消費税の減収を全額国費で補うと述べました。インドネシアはハラール認証の義務化を2年延ばしました
今日の要点
- 飲食料品の消費減税と支援金の法案が、10月20日に衆議院本会議で審議入りしました。
- 国民民主党は、税率が8%に戻る2年後の負担増を問題にし、対案を示しました。
- 首相は国と地方の協議の場で、地方消費税の減収を全額国費で補うと述べました。
- 中国・台湾産のステンレス鋼板について、不当廉売関税の答申が出ました。
- インドネシアは、輸入食品のハラール認証の義務化を2028年10月18日に延ばしました。
消費減税法案の審議入りと対案
事実
10月20日、政府の飲食料品消費減税・支援金法案が衆議院本会議で審議入りしました。国民民主党の浅野哲税制調査会長が質疑に立ちました。同党は物価高対策の減税には賛成するとしました。一方、2年後に税率が8%に戻るときの「中間層大増税」には反対するとしました。減税が始まるまでの低所得者対策がないこと、年金生活者など働けない人が支援金の対象外であることも指摘しました。景気が悪いときに税率の復帰を延ばす条件を、法律に書くべきではないかと質しました。対案の柱は三つです。所得税の基礎控除の引上げを恒久化します。住民税の控除枠を、所得制限なしで広げます。住民税がかからない人には、納めた社会保険料を上限に給付します。
T&S の見方
家計の負担を減らす論戦が、減税の幅ではなく「終わり方」に移ったことは前進です。恒久的な減税で内需を支える考えは、積極財政の筋に沿っています。反対の見方では、恒久減税は税収の土台を細らせ、金利上昇の局面で国債の信認を損ねるおそれがあります。
経営者への含意
法案は修正される可能性があります。価格表示やシステム改修の計画は、施行日と税率の復帰時期が確定してから最終決定してください。
国と地方の協議の場
事実
10月20日、首相は官邸で地方六団体の代表と協議しました。議題は地域未来戦略と地方分権改革です。首相は、「日本成長戦略」と「地域未来戦略」を両輪に、大規模で長期の予見可能性の高い財政支出を行うと述べました。地域未来戦略の「産業クラスター計画」は74件が策定・公表されたとしました。消費税・支援金法案について、自治体の事務の負担を最小にし、地方消費税の減収額は全額国費で補うと述べました。社会保障と教育について、国と地方が協議する場を新たに設けるともしました。
T&S の見方
地方に産業の拠点を分散させることは、災害や有事に強い国土をつくります。減収を国が補うことで、地方の行政サービスが削られる事態は避けられます。反対の見方では、国費での補てんが続くと、地方の財政が国への依存をさらに強めます。
経営者への含意
地方に工場や拠点を持つ企業は、地元の産業クラスター計画に自社の分野が入っているかを確認してください。自治体の支援を受けやすくなります。
ステンレス鋼板に不当廉売関税の答申
事実
10月19日、関税・外国為替等審議会は、中国(香港・マカオを除く)と台湾を原産地とするニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板に、不当廉売関税を課すことについて答申しました。この件は2025年5月12日に課税の申請があり、同年7月22日に調査が始まりました。2026年6月19日に仮の決定が出ています。7月9日から11月8日までは、3.6%から42.1%の暫定的な関税が課されています。
T&S の見方
基礎素材の国内生産を守る手続きが、本格的な措置へ向けた手続きが進みます。鉄鋼の生産力を国内に残すことは、防衛産業の備えでもあります。反対の見方では、関税で輸入品が高くなると、厨房機器や建材など川下の製造業の負担が増えます。
経営者への含意
この鋼板を輸入して使う企業は、暫定措置が終わる11月8日より後の調達価格を、最終決定を確認しながら見直してください。国内の調達先との契約も検討に値します。
インドネシアのハラール認証、義務化を延期
事実
農林水産省によると、インドネシア政府は、海外からの飲食料品などのハラール認証の義務化を延期しました。開始日は2026年10月18日から2028年10月18日に変わりました。企業や業界団体から、準備期間が足りないとの声があったためです。農林水産省は、延期は制度の廃止ではないとし、輸出事業者に対応を続けるよう求めています。
T&S の見方
食品の輸出先を広げることは、国内の農業と食品産業の生産基盤を支えます。延期で準備の時間ができたことは、中小の事業者にとって救いです。反対の見方では、相手国の規則に合わせる負担が大きく、輸出よりも国内市場を固める方が効率的です。
経営者への含意
インドネシアに食品を輸出する企業は、延期を理由に認証の取得を止めないでください。2028年の期限から逆算して、計画を進めてください。