2026年11月4日(水)
防災庁が発足し事前防災を緊急要請、日銀は政策金利を1.25%で維持
- 11月2日に防災庁が発足し、防災大臣名などで国民・自治体・省庁に事前防災の緊急要請が出ました。都道府県と各省庁は年末に進み具合を報告します
- 日銀は政策金利を約1.25%で維持し、利上げの提案は否決されました。9月末のコメの民間在庫は前年より58万トン多くなりました
今日の要点
- 11月2日、防災庁設置法が施行され、防災庁が発足しました。細野豪志国務大臣が防災大臣に任命されました。
- 防災大臣名などで「事前防災徹底のための緊急要請」が出されました。都道府県と省庁は年末に実施状況を報告します。
- 日銀は政策金利を約1.25%で維持しました。約1.5%への引き上げを求めた提案は、反対多数で否決されました。
- 9月末のコメの民間在庫は255万トンで、前年同月より58万トン多くなりました。
- 日韓の外務次官が戦略対話を開き、安全保障や経済安全保障の具体的な協力を進め、日米韓の連携も重視することで一致しました。
防災庁が発足、省庁と自治体に期限つきの要請
事実
11月2日、防災庁設置法が施行され、防災庁が発足しました。首相は発足式で、防災庁を事前の備えから復旧・復興までを担う「司令塔」と位置づけました。府省庁の縦割りを見逃さず、強い司令塔として各府省庁を動かすよう求めました。同じ日、「事前防災徹底のための緊急要請」が出されました。国民には防災大臣のメッセージとして、耐震化や家具の固定、水・食料・携帯トイレの備蓄などを求めました。都道府県には事務次官名で、避難所の環境改善や仮設住宅の候補地の選定など8項目を求めました。各省には防災大臣名で、業務継続計画の見直しと、所管する業界の企業の防災対策を進めるよう求めました。都道府県と各省は年末に進み具合を報告します。企業や国民の取り組みは実態調査や世論調査で点検し、必要に応じて再要請や勧告権の行使を行います。点検の結果は予算の執行などにも反映します。
T&S の見方
災害への備えは、国の安全保障の土台です。司令塔をつくり、期限と点検の仕組みを持たせた点は前進です。食料と水の備蓄を求めたことは、自給の考え方とも重なります。一方、自治体への要請が増えても、人と財源が伴わなければ実行は進みません。反対の見方では、新しい組織は既存の省庁と役割が重なり、調整の手間が増えるおそれがあります。
経営者への含意
各省を通じて、企業の防災と業務継続計画への働きかけが強まります。社員の安否確認、備蓄、業務継続計画を、年内に点検してください。
日銀は政策金利を維持、利上げ提案は否決
事実
10月30日の金融政策決定会合で、日銀は無担保コールレートの誘導目標を約1.25%で維持しました。高田委員は約1.5%への引き上げを提案し、反対多数で否決されました。植田総裁は11月2日に公表された会見録で、リスクや金融環境を「もう少しみていく必要がある」と述べました。基調的な物価上昇率は2%の目標と概ね整合的な水準にあるという点で、9人全員の判断が一致したと説明しました。一方、2%の持続的・安定的な実現には「まだ至っていない」とも述べました。今後も、情勢に応じて政策金利を引き上げていく考えです。総裁は、原油価格の上昇のような「負のサプライショック」で物価上昇が起きているとも述べました。
T&S の見方
輸入エネルギーの値上がりによる物価高を、利上げで抑える効果は限られます。エネルギーの自給を高める方が、根本的な対策です。反対の見方では、物価が目標を上回るリスクがある以上、利上げを遅らせると物価高が長引きます。
経営者への含意
次回以降の会合での利上げの可能性は残っています。変動金利の借入は、金利が一段上がる前提で返済計画を確かめてください。
コメの民間在庫が前年を大きく上回る
事実
農林水産省によると、9月末のコメの民間在庫は、出荷段階と販売段階の合計で255万トン(玄米)でした。前年同月より58万トン多くなりました。出荷段階は206万トンで、61万トン増えました。令和8年産の集荷数量は98.9万トンで、前年より4.1万トン増えました。一方、契約数量は66.9万トンで、57.3万トン減りました。精米の販売事業者の9月の販売価格は、小売事業者向けが前年同月比81.4%でした。
T&S の見方
在庫が積み上がったことは、国内の供給力が回復したことを示します。ただ、価格が下がりすぎると、生産者の離農が進み、食料の自給を損ないます。在庫を備蓄に回すなど、国が生産を支える仕組みが必要です。反対の見方では、価格の下落は家計の負担を軽くし、市場に任せるべきです。
経営者への含意
外食や中食では、コメの仕入れ条件を見直す余地があります。一方、農業関連の取引先は収益が圧迫されます。取引条件の変化に注意してください。
日韓の戦略対話と、アフリカのナカラ回廊
事実
11月2日、軽井沢で第17回日韓次官戦略対話が開かれました。両国は、北朝鮮の完全な非核化に向けて緊密に連携することを確認しました。日米韓の連携を重視しつつ、安全保障や経済安全保障の具体的な協力を進めることでも一致しました。また、外務省は11月2日、マラウイで道路補修機材を供与する無償資金協力の書簡に、10月30日に署名したと発表しました。内陸国をモザンビークのナカラ港につなぐナカラ回廊の整備の一環です。周辺は鉱物資源と農地に恵まれた地域です。
T&S の見方
鉱物資源の産地との結びつきを強めることは、供給網の多角化につながります。近隣国との経済安全保障の協力も、特定国への依存を下げる手段です。反対の見方では、援助による関与は成果が見えにくく、国内の需要に回すべきだという意見もあります。
経営者への含意
重要鉱物を使う企業は、アフリカなど新しい調達先の動きを注視してください。日韓の協力が進めば、供給網の共同の取り組みに参加する機会も生まれます。