T&S Asset Management

2026年11月5日(木)

防衛施設周辺の土地に事前許可制の法案、国債のオンチェーン化を財務省が研究

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今日の要点

  • 防衛施設の周辺などを「規制区域」とし、土地の所有権移転を事前許可制にする法案が、衆議院で審議中です。
  • 外国政府や、その支配下にある法人などには、原則として許可しない内容です。
  • 財務省は、国債のオンチェーン対応を検討する研究会の、第1回の議事要旨を公表しました。
  • 1〜6月の日本人の出生数は、前年同期より0.4%増えました。死亡数は6.9%減りました。

防衛施設周辺の土地取得に事前許可制

事実

政府は10月23日、重要土地等調査法の改正案を国会に提出しました。衆議院の議案一覧では「衆議院で審議中」です。改正案は、ドローンで機能を妨げられると回復が難しい防衛関係施設や海上保安庁の施設の周囲おおむね1,000mと、無人の国境離島を「規制区域」に指定します。区域内の土地の所有権移転は、事前許可が必要になります。外国の政府や政党、外国の法令で軍や情報活動への協力義務を負う者、それらが支配する法人などには、原則として許可しません。許可のない移転は無効とし、登記を受け付けません。土地の賃貸借には、事後の届出を求めます。注視区域の対象には、皇居、国会議事堂、総理官邸などを加えます。施行は、公布から1年6月を超えない範囲で政令で定める日です。

T&S の見方

外国資本による土地取得を、取得の段階で止める仕組みです。後から利用を規制する現行制度より、主権を守る力は強くなります。実質的な支配者まで審査の対象にした点も重要です。反対の見方では、許可の基準があいまいだと、正当な投資や地域の不動産取引まで冷え込むおそれがあります。

経営者への含意

規制区域の近くに土地を持つ企業は、売却や賃貸の手続きが増える前提で計画してください。外国資本が入る企業は、株主の実質的な支配関係を説明できるよう整理しておくと安心です。

国債のオンチェーン対応を研究

事実

財務省は、「国債のオンチェーン対応に関する研究会」の第1回の議事要旨を公表しました。会合は10月8日に開かれ、第2回は10月30日に開かれました。議事要旨では、現在の制度では資金と国債の双方を日本銀行が管理している点が「ポイント」とされました。ステーブルコインや預金トークンについて、中長期的には中央銀行マネーとの関係も検討が必要だという意見が出ました。差押えなどの民事執行を実効的に行えるかも重要だとされました。国債の流通市場はすでに流動性が高く、オンチェーン化で向上することは期待しにくいという意見もありました。財務省は、発行体としての目的は安定的な資金調達の継続だと説明しました。

T&S の見方

国債の決済基盤は、通貨主権の中心です。民間のステーブルコインや海外の基盤に頼る形になれば、決済の主導権を外に渡しかねません。日本銀行のお金との関係を先に詰める姿勢は妥当です。反対の見方では、検討に時間をかけすぎると、海外の市場に国債の取引を奪われるおそれがあります。

経営者への含意

国債を担保に使う金融機関や事業会社は、決済や担保の実務が変わる可能性を見ておいてください。当面は研究段階で、実務の変更はまだ先です。

日本人の出生数、上半期は前年を上回る

事実

厚生労働省が11月4日に公表した人口動態統計の概数によると、6月の日本人の出生数は5万6,823人で、前年同月より2.1%増えました。1〜6月では32万458人で、0.4%増えました。1〜6月の死亡数は6.9%減り、自然減は44万6,288人でした。婚姻件数は0.3%減りました。

T&S の見方

出生数の減少に歯止めがかかる兆しは、自国民で社会を支える基盤として前向きです。外国人の受け入れに頼る前に、子育てと結婚を支える政策を優先すべきです。反対の見方では、半年の増加は一時的な可能性があり、人手不足を補うには外国人材の受け入れが当面避けられません。

経営者への含意

人口の減少は続いています。採用は量より定着を重視し、省力化への投資を計画に入れてください。

日米が食料安全保障で協力を確認

事実

11月2日、武部農林水産大臣は、グラス駐日米国大使の表敬を受けました。日米の農林水産業と食料安全保障について意見を交わし、協力を続ける重要性を確認しました。

T&S の見方

同盟国との協力は大切です。ただ、食料の安全保障の土台は、国内の生産力です。輸入に頼る比重が上がれば、有事の交渉力は落ちます。反対の見方では、米国などからの安定した輸入こそが、現実的な食料安全保障だという意見もあります。

経営者への含意

食品の原料を輸入に頼る企業は、日米の農産物の取引条件の変化を注視してください。国産原料への切り替えの余地も、あわせて点検しておくと安心です。

出典

  1. 第222回 臨時国会 提出法律案(内閣府)
  2. 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律の一部を改正する法律案 概要(内閣府)
  3. 第222回国会 議案の一覧(衆議院)
  4. 国債のオンチェーン対応に関する研究会(財務省)
  5. 国債のオンチェーン対応に関する研究会(第1回)議事要旨(財務省)
  6. 人口動態統計月報(概数)令和8(2026)年6月分(厚生労働省)
  7. 人口動態統計月報(概数)令和8年6月分 結果の概要(厚生労働省)
  8. 武部農林水産大臣とジョージ・グラス駐日米国大使との会談(農林水産省)