2026年11月7日(土)
食料品の消費税1%法案が衆院を通過、サイバー緊急対策パッケージ案が示される
- 飲食料品の消費税率を2年間1%にし、就業者負担軽減支援金を支給する法案が、11月6日に衆議院を通過しました
- 政府はサイバー攻撃に備える緊急対策パッケージ案を4つの柱で示しました。農林水産省は地域計画推進本部を設置します
今日の要点
- 飲食料品の消費税率を2年間1%に下げる法案が、11月6日に衆議院の本会議で起立多数により可決されました。
- 同じ法案は、所得の条件を満たす働く人に「就業者負担軽減支援金」を支給します。
- 政府のサイバー緊急対策パッケージ案は、AIも使った基本対策の徹底など4つの柱で構成されます。
- 農林水産省は「地域計画推進本部」を設け、11月9日に初会合を開きます。
食料品の消費税1%法案が衆院を通過
事実
参議院の議案情報によると、法案は11月6日に衆議院の財務金融委員会で可決されました。同じ日の本会議で、起立による採決の結果、多数で可決されました。参議院では、まだ委員会に付託されていません。法案は、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの飲食料品の譲渡について、消費税率を臨時に引き下げます。内閣官房は、税率を1%にすると説明しています。あわせて、前年の所得などの条件を満たす人に、年度ごとに支援金を支給します。市町村長が認定し、支給します。費用は、国が3分の2以上を負担します。法案の目的には、「働くことにより生活が向上することを実感できる社会の形成に寄与する」とあります。
T&S の見方
家計の負担を直接軽くする減税は、内需を支える積極財政の手段です。食料品に絞ったことで、国内の食料の需要を守る効果もあります。一方で、財源を他の増税や歳出削減で埋めると、景気への効果は打ち消されかねません。反対の見方では、2年後に税率が戻るときに駆け込みと反動が起き、事業者の負担も重くなります。
経営者への含意
小売や外食は、令和9年4月に向けて、価格表示と会計システムの準備を始めてください。法案はまだ参議院の審議が残っています。成立を確かめてから、投資の規模を決めると安全です。
サイバー緊急対策パッケージ案
事実
内閣官房は、関係閣僚会議の資料として「サイバーセキュリティ緊急対策パッケージ(案)」を示しました。柱は「AI も活用した基本的な対策の徹底」「情報収集・集約、捜査・分析体制の強化」「サイバー攻撃への対処の戦略的な実施」「被害者支援・被害拡大防止策の強化」の4つです。案では、被害組織に専門家を送る「官民サイバー救援隊(仮称)」について、令和8年度中の早期に事務局を設けるとしています。攻撃への対処では、「アクセス・無害化措置」を含む手段を戦略的に実施するとしています。サプライチェーンのセキュリティ対策評価制度は、令和9年3月ごろに運用を始める予定です。耐量子計算機暗号への移行は、原則2035年までを目指します。個人の相談の総合的な入口は、消費生活センターとします。
T&S の見方
情報の漏えいは、企業の問題であると同時に国の安全の問題です。攻撃の基盤に国が自ら対処する姿勢は、経済安全保障の前進です。官民の専門人材を被害の現場に送る仕組みは、自国で守る力を高めると考えます。反対の見方では、国による無害化措置の範囲が広がると、通信の秘密や企業の自由を損なうおそれがあります。
経営者への含意
取引先から評価制度への対応を求められる時期が近づいています。公開しているウェブシステムを洗い出し、多要素認証と脆弱性診断を今のうちに進めてください。
農林水産省が地域計画推進本部を設置
事実
農林水産省は11月6日、「農林水産省地域計画推進本部」を設置すると発表しました。地域計画の継続的な見直しと実現に向けて、部局を横断して対応するためです。本部長は農林水産大臣です。初会合は11月9日に開き、地域計画の見直しの取組状況を議題とします。
T&S の見方
農地を誰が担うかを地域ごとに決める計画は、食料自給の土台です。省を挙げて取り組む体制は、食料安全保障を守る動きとして前向きです。地域の担い手を明確にすることは、農地の管理を地域の手にとどめることにもつながると考えます。反対の見方では、計画づくりが形だけになり、担い手不足という根本の課題は解決しないという見方もできます。
経営者への含意
農業に参入する企業や、農産物を地元から調達する企業は、地域計画の見直しに参加する機会があります。市町村の動きを確認し、担い手として名乗りを上げる準備をしてください。