2026年11月8日(日)
中東の自衛隊活動を1年延長、OECDと東南アジアが経済安全保障で対話
- 政府は11月6日、中東地域での自衛隊の活動の期限を1年間延長しました。OECDと東南アジアの経済安全保障の対話も東京で開かれました
- 会計検査院は令和7年度決算検査報告を首相に手交しました。沖縄政策協議会、原子力総合防災訓練も行われました
今日の要点
- 政府は11月6日、中東地域での自衛隊の活動の期限を1年間延長しました。
- OECDと東南アジアの経済安全保障の対話が東京で開かれ、AIや量子、金融システムの強靱化を話し合いました。
- 会計検査院は11月5日、令和7年度決算検査報告を首相に手交しました。
- 首相は沖縄政策協議会で、知事の要望を令和9年度予算で対応できるものと中長期のものに分けて検討するよう指示しました。
中東の自衛隊活動を1年延長
事実
11月6日、国家安全保障会議の九大臣会合と閣議で、3つの決定がありました。「海賊対処行動に係る内閣総理大臣の承認」、「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組の一部変更」、「シナイ半島国際平和協力業務実施計画の変更」です。官房長官は、中東地域での自衛隊の活動の期限が「1年間延長されることとなりました」と述べました。外務大臣は11月8日から11日の日程で、G7外相会合に出席するためパリを訪問します。議題には、中東の安定の回復が含まれます。
T&S の見方
海上の交通路を自ら守る活動は、エネルギー安全保障の柱です。自衛隊が現地での活動を続ける意味は大きいと考えます。反対の見方では、毎年の延長が国会での十分な議論を経ないまま常態化するおそれがあります。
経営者への含意
中東を通る輸送に頼る企業は、航路の安全が当面の課題であり続ける前提で動いてください。調達先と在庫の日数を、もう一度確認しておくと安心です。
OECDと東南アジアが経済安全保障で対話
事実
11月6日、外務省とOECD東京センターの共催で、「第2回OECD・東南アジア経済安全保障政策対話」が東京で開かれました。議題は、AI、量子技術、責任ある企業行動を含む投資、金融システムのレジリエンスです。参加者は、2027年3月に量子をテーマとするオンラインワークショップを新たに開くことで一致しました。2027年2月には、インドネシアでAIの定期対話の第3回対面会合を開きます。北朝鮮による暗号資産の窃取を含む悪意あるサイバー活動に深刻な懸念を共有し、金融機関、テクノロジー事業者、監督当局の協力によるサイバー強靱性の強化を話し合いました。対話は来年も続けて開く予定です。
T&S の見方
供給網の依存関係を数字で見える形にする取り組みは、経済安全保障の土台になります。東南アジアとの協力は、特定の国への依存を減らす助けになります。共通のルールがあれば、日本企業は東南アジアで投資しやすくなります。反対の見方では、国際機関の基準づくりが進むほど、各国の政策の自由が狭まるおそれがあります。
経営者への含意
東南アジアに拠点や取引先を持つ企業は、投資審査の考え方が各国で共有されていく流れを意識してください。暗号資産やサイバーへの備えを、取引先との間で確認しておくと安心です。
決算検査報告と、財政の点検
事実
11月5日、会計検査院長は首相に「令和7年度決算検査報告」を手交しました。会計検査院は、基金等、租税特別措置、新型コロナウイルス感染症対策・物価高騰対策関係経費等の検査結果を特設サイトにまとめています。11月6日の閣僚懇談会では、首相と財務大臣が「令和7年度決算検査報告の活用について」発言しました。
T&S の見方
使われない基金や効果の薄い支出を洗い出すことは、積極財政を続けるための前提です。点検の結果を、必要な国内投資に回すことが大切だと考えます。反対の見方では、検査の指摘が歳出削減の口実となり、緊縮へ傾くおそれがあります。
経営者への含意
補助金や基金の事業を使う企業は、成果の報告と経理の記録を整えてください。検査の結果を受けて、来年度の制度が見直される可能性があります。
沖縄政策協議会と原子力防災
事実
11月6日、首相は沖縄政策協議会に出席しました。首相は「強い沖縄経済」の実現に向けた取り組みを応援すると述べました。基地負担軽減を「目に見える形で実現できるよう、力を尽くしてまいります」とも述べました。各大臣には、知事からの要望を、令和9年度予算で対応できるものと中長期的に取り組むものに整理して検討するよう指示しました。11月7日には、首相が官邸で令和8年度の原子力総合防災訓練に参加しました。外務省は11月5日、IAEAが11月4日にALPS処理水の追加的モニタリングの報告書を公表したと発表しました。分析には、IAEAが選んだ第三国の分析機関も加わりました。報告書は、分析結果が、人と環境への放射線の影響は「無視できるほど」とした2023年のIAEA包括報告書の結論と整合するとしています。
T&S の見方
沖縄は、防衛と経済の両方で国の要です。地元の産業を育てることは、国境に近い地域の安定につながります。原子力は、エネルギーの自給を高める選択肢です。防災訓練と第三国も加わった検証は、その信頼を支えます。反対の見方では、基地と原子力の負担が特定の地域に集中する構図は変わっていません。
経営者への含意
沖縄で事業を行う企業は、令和9年度予算の議論を注視してください。電力を多く使う企業は、原子力の稼働と電力価格の見通しを中長期の計画に入れておくとよいでしょう。